肥料が多すぎると……!(+土壌から放射性物質を減らす為のヒントについて)

  • 2011.05.29 Sunday
  • 15:36
 

こんにちは、園芸店オヤジです。

「園芸店経営」という季節労務者は、4月下旬から休むひまなく働いてきました。
取り寄せてあった雑誌・農耕と園芸5月号も書店の袋に入り、我が枕元で眠ったままの日々が続きました。
その忙しさから解放されて昨夜、別冊付録を取り出したところ、後藤逸男著「土壌診断とやさしい土壌学」でした。

この先生のお話は見逃せない!


 異常が出たキュウリの葉
 

上の画像は、本日お客様から相談を承ったキュウリの葉。
これを細菌による病害と勘違いして、野菜の病害図鑑とにらめっこでは恥をかきそうです。

お訊きしますと、連年苦土石灰と堆肥プラス8・8・8の○○化成肥料を散布されているとのこと。

弊社のそば殻堆肥・ハスキーミックスを使用する時は、他の窒素・リン酸・カリを含む肥料は(鶏糞など有機肥・化学肥を問わず)一切併用しないことをお願いしています。

この約束は残念ながら守られてはいなかったようです。
 
次に問題なのは、苦土石灰(Mgマグネシウム)を撒き続けて高pHにしてしまった。
後藤先生はpH6.5以上ならば、ただちに石灰資材の施用を中止せよと言います。

植物に必須微量要素(鉄 マンガン 亜鉛 銅 ホウ素 モリブデン 塩素 ニッケル)の正常な吸収はリン酸過剰や高pHによって妨げられると強調されています。

同書は雑誌の付録とは言え、初心者にも解りやすく、又読み物としても面白く語らえているお勧めの書です。

なお写真の生理現象が、鉄栄養かホウ素などが原因しているのかは分析機器を持たない私では断定できません。


ところで未だ終息していない原発からの放射能漏れ。
汚染地域は広がるばかりですね。
この先未来永劫、使用出来ない土地になってしまった場所も有るでしょう。
しかし、低い濃度での汚染地域に於いては今後も皆がそこで生き、農業を営み、それで収入を得たり、それを食べる事で命を繋いでいく事になるでしょう。

以前にも
このページで紹介致しましたが、土壌からセシウムやストロンチウムを除去する方法が、今後の重要課題となるでしょう…

日本の、しかもその場所その場所に合った植物を使ってのファイトレメディエーションが先決となって来ています。

放射能漏れが落ち着いたら、
ファイトレメディエーションに取りかからなくてはなりません…。

そのヒントとして、
この土肥学会のページを是非お読みいただきたいと思います。
この情報は随時新しい情報が追加されてます。

そして事が終息する事を祈りながら、「これから」の事を考えたいと思います。


今低濃度汚染されてしまった地域に於いても、数年後には子ども達にも安心して食べさせる事の出来る作物が、再び作られるようになる事を信じたいと思います。


 
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土壌中のセシウムについて考える

  • 2011.04.09 Saturday
  • 13:29
 


こんにちは、園芸店オヤジです。

高冷地の諏訪地方にもようやく春がやってきました。
私にとっては繁忙期です。
仕事柄(園芸店とは言え、しょせん季節労務者と自覚)持ち時間も少なめゆえ、解りやすく語れるかどうか心配しながら続けます。
 

土壌中の粘土鉱物や腐植によって構成されている土を、コロイド粒子と言います。
このコロイド粒子は、マイナスイオンが帯電しています。

カルシュウム・マグネシウム・アンモニュウム・カリウム・水素などはプラスイオンの持ち主ですから、マイナスイオンの土壌に吸着されます。
したがって、マイナスイオンが多ければ多いほどカルシウムなどこれらの物質がたくさん含まれることになります。


 手書きで済みません。シージーなんてジージーには描けません。



一定の体積の中では粘質土壌や腐植質土のように細かい方が、マイナスイオンが多く存在します。
その最大量を塩基置換容量といいます。

たとえて言うなら、大きなキャバクラやバーが2〜3軒ある繁華街よりも、美人マダムが居る小さなスナックやバーが多数ひしめいている方の繁華街へと、男どもが集まるようなものでしょうな。
(この比喩がダメな場合、経験の浅い筆者のこと、お解り頂きたい)
 
そこで塩基置換容量(CEC)が高い方が肥料栄養分の保持力も高い。
砂地などはこの逆であることが解ります。

図に示した物質は、植物にとっても人間にも必須栄養素ですから、今日まで喜んでいたところへ、突如セシウムという暴漢が一価の陽イオンのふりをして、紛れ込んできた。
このことを念頭に、再度
土肥学会情報をごらんください。

因みにナトリウムは植物の必須元素では、ありません。
Naは塩であり、基本的に植物にとっては邪魔な存在です。

植物でしょっぱいのは塩生植物や海藻等くらいでしょうね。
陸の物ですと、メジャーなところでオカヒジキ、最近出回るようになったアイスプラント辺りでしょうか?
海中や海辺の植物は
Naが必要な場合もありますね。
 

ところで、恥を忍んで告白しますが、苦学しながら法学部の大学を卒業したのに、その知識の殆どは返上してしまいました。

でも、たった1つ守ってきたこと。
それは「法学書は一節一説を吟味して読め」と言われた事でした。
後に専門書、科学書も一行一節を、その筆者の言わんとしていることをまず理解すること、さらにおのれの考えとの違い、その真偽は…?と、深く読む、と言うことに差がないと、気がつきました。
 

読んで下さる方々の温かいご意見ご指導を期待しています。
誤りは直ちに修正します。



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クリーニングクロップ〜植物の力で土壌を清浄にすること〜

  • 2011.04.06 Wednesday
  • 18:18
 


こんにちは、園芸店オヤジです。

今日は前回に引き続き、クリーニングクロップについて書きます。

過剰施肥(=肥料のやりすぎ)で、作物が作りにくくなった。
病害がでやすくなった。
このような農地を正常に戻すため、トウモロコシ・ソルガム・青刈り用ヒエ(いずれもイネ科作物)やマリーゴールドなどを蒔き、成長したら農地の場外に出す。

このように使われる植物栽培をクリーニングクロップと言います。

当然のことながら、日本に於いてセシウム対応のクリーニングクロップの研究はありません。
しかし前回も書きましたが、セシウムはカリウムと似ていますので、カリウムをより多く必要とする植物が「間違って」吸い上げるであろうと考えられます。

カリウムを多く必要とする植物はどこにでもある雑草を含め、無数に有るでしょう。
ヒユ科は多くカリウムを必要としますので、前回ヒユ科のアマランサスを挙げました。
他にはマメ科、アブラナ科、キク科など、身近な雑草に見られる植物たちですよね。


日本土壌肥料学会の
放射性核種(セシウム)の土壌−作物(特に水稲)系での動きに関する基礎的知見を今回もご参照下さい。


このブログで原発事故以前より紹介してきました、堆肥のあり方について簡単に説明および提言します。
 
セシウムは焼却しても減りません。
微生物による分解も出来ません。

このことから、既に土壌汚染が認められる地域の有機物を堆肥化しても意味がないことになります。

本当に残念な事なのですが、強度被曝地の農地は、論外です。
耕作すら危険です。

ご自分がこれ以上被曝しないように、ご自分の健康や命を第一に、他の安全な地に移り、再び新天地に於いて農地を得て欲しいものです。
被災者の方々が自力でそんな事は出来ないので、それは今、国を挙げてしなくてはなりません。
もう、農家から自殺者など出してはいけません。
国は、被害に遭った方々に出来るだけ負担がないように、そして速やかに行って欲しいものです。

勿論、作物栽培が許される場所でしたら、私が今日まで研究してきましたそば殻堆肥は、積極的に導入すべきでしょう。
 
そして「セシウムなどの汚染がどうであるのかはっきりしない、微妙な場所」について。
これは、堆肥や肥料を用いず、クリーニングクロップを行った後に、そば殻堆肥を用いた栽培を行う。
この繰り返しによってセシウムが減らされることを、上記学会情報は示唆しています。
 
 
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「雑草」でクリーニングクロップ〜土壌をどうしたらきれいにできる?〜

  • 2011.04.03 Sunday
  • 15:39
 


こんにちは、園芸店オヤジです。

私達の年代は、強風で物置が壊れた→だから直ちに職人を呼べ、ではなく、身の回りにある材料で補修することを先に考えます。

子供の頃は使えなくなったヤスリ、折れたノコギリ刃でナイフを作り遊んでいました。
オモチャなど買って貰った記憶はありません。

そんな人生経験から、店先のテラスルーム、短管利用の育苗室、当然パイプハウスなど全て、見よう見まね+創意工夫によって作り、今日まで
生きながらえてきました。
 
いつもコメントを下さるちば!さんも、私以上に器用な方だろうなと、私の嗅覚を刺激しています。
今はお仕事の材料も手に入りにくいかもしれませんが、間もなく解決すると思います。
そして活気が蘇るでしょう。
それが死者・犠牲者への礼儀と心得ます。
 
前置きはこの位にして、堆肥を入れた健康な土には1グラム当たり1〜10億個の微生物が棲んでいると言われてきました。
セシウムによって彼らが死滅するわけではありません。

その刺激を受けて突然変異種も生まれるかも知れませんが、人間に都合の良い微生物発生も期待されます・・・この点は日頃信仰に疎いことを詫びながら、神に祈るしかありません。
 
これまで学者が研究してきた環境修復のための植物は、雑草(ザッソウという植物は無いとは昭和天皇の有名なお言葉があります)ヘアリーベッチ・シロイヌナズナ・ミゾソバ等々であり、アマランサスなどは人間が直接利用しうる植物に出世してきたものと考えられます。
 

 アシタバの苗です。


その雑草の中でも出世頭、ガン・成人病撃退(奥山徹先生)と言われる奇跡の明日葉の写真をご覧いただき、今日はここまでにいたしますね。


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被災した地の土壌をどう立て直すか…〜除塩、そして放射性物質をどうするのか〜

  • 2011.04.02 Saturday
  • 16:31
 


こんにちは、園芸店オヤジです。

三月九日、当ブログで土壌pH(酸度)について語り、塩類濃度とはどういうことなのか。電気伝導度(ECメーター)についてお話する予定でした。

大震災のため中断しましたが、涙を乗り越え、生きとし生けるものは兎に角前進あるのみと言う観点から、再び土の話に戻ります。
 
おりしも、3月31日日本農業新聞で、JA全農による津波対応で水田からの塩分を取り除く(除塩対策)指導を報じています。(全農HP参照)


 わたしの「七つ道具」です

ここで、電気伝導度・ECメーターが登場しますが、ごく簡単にその仕掛けを説明しますと、たとえば純水は電気が通りにくいが塩類が混ざると逆になる。

したがって、私が先月購入して
育苗室に敷き込んだ土の塩類(=この場合は硝酸態窒素)濃度が測れるという物です。
 
また塩素濃度とも正比例して反応しますので、今回海水をかぶった水田ではEC値が0.3〜0.6(デシジーメンス)以上の場合は対策が必要と言うことを説明しています。


ところで、購入した田土ですが、EC 0.75デシジーメンス。pH9.0位の強アルカリ土壌。
つまりは、肥料と石灰を遣いまくった土。
これでは耕作放棄したくなるわけですね。

 
今回、災害地の塩分は海にお返ししなければいけませんが、諏訪盆地では、行き着くところは諏訪湖しかありません。

地方選挙も始まり何人かの候補者と面接しましたが、理解者はゼロでした。
平成の田中正造は何処に?


因みに放射性物質のクリーニングクロップについては、日本で前例が無い為か「これだ!」と言うマニュアルも事例も見つかりません。

土肥学会で、
セシウム・ヨウ素についての記事は出ていました。

セシウムはカリウムと似た構造で有る事は判っています。
カリウムを多く必要とする植物に、セシウムと勘違いさせる事で吸わせていき、育った所で根こそぎ引き抜き廃棄(汚染されてしまった土壌のものであれば、然るべき場所での焼却処分が望ましいと考えられます)する事で、放射性物質のクリーニングクロップとなるのか…?

現段階、わたしとしてはそこまでしか分かっていません。


 
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育苗室を拡張しました。〜そこで気付いた事〜

  • 2011.03.09 Wednesday
  • 14:12
 


こんにちは、園芸店オヤジです。


  拡大した育苗室です


上の画像をご覧下さいませ。鍬やジョレン、レーキなど野道具がおいてあります。

ここは以前資材置き場でしたが、育苗室を拡張することにしました。人間の欲望は止まることを知らないという証の1つです。


歩く場所などを整える為に、ゴロ石・小石の上に黒土を約2立米(2立方叩砲鮃愼し、25平方辰防澆詰めました。

この黒土、田圃の作り土のはずです。
そんな大事なはずの土がなぜ捨てられ、業者の手に渡ったのか知りたくなりました。

そこで取り出したるは、ECメーター・pH測定器…等々。
本日からしばらく、ポピュラーな話題におつき合いください。



専門誌『農耕と園芸』3月号の特集記事は、「ニンニク生産の基本技術」です。
最初に掲載されている、青森県産業技術センター野菜研究所・庭田英子先生の論文中、ニンニクは「土壌pHは6.0〜7,5程度までは正常に生育する」とありました。

ところが、農業技術体系4の作物別の最適pHの表ではニンニクは「pH5,5〜6,0の弱酸性領域で生育」となっています。
過去に本ブログでジャガイモ土壌pHは弱酸性と説明しましたが、技術体系ではニンニクと並んでいます。

悩ましいところですね。

多分私の考えは、今後は庭田さんの説に従う事になると思います。


   pH測定器です


本題に戻り、買い入れた黒土の土酸度を、堀場製作所製pH測定器と、念のため竹村式pH検定器の両方で調べました。

前者の機械は専業農家以上のお客様が注文されます。
後者は土を数カ所(6穴あり)から採取し、それぞれ穴7〜8分目入れ、指示薬をたらし、次々と別のツマヨウジで攪拌し、色の変化で識別する方法でこれを比色型と言い、価格も安価で家庭菜園向きと言えましょう。




そして計測の結果はなんとpH8.5〜9.5。
比色型でも濃い緑から紫。

この土は石灰か?
しかし、水環境でもこの現象は再現されますね。
霞ヶ浦でも諏訪湖でも。

次回続きはECメーターとは?
ECについて解りやすく説明しますが、驚くべきことが解りますよ。
 
 
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リン酸・カリ肥料ってなんだろう?〜土作りを考える〜

  • 2011.02.08 Tuesday
  • 13:10
 


こんにちは、園芸店オヤジです。

今日は肥料の「三大要素」のうち、リン酸とカリ(カリウム)の事を書きますね。
窒素の性質などについては昨日・一昨日のブログをご参照下さいませ。

リン酸は、植物の花芽の形成に関係する肥料と言われます。
カリは、植物の根の発育に関係する肥料と言われますね。

しかしトマトなど果菜類では、窒素肥過剰で茎や葉をメタボにしてしまうと、それからいくらリン酸肥料を施しても花がふるい落とされてしまい、実はつきません。

トマトは多年草で、窒素に恵まれすぎると「俺は実なんかつけなくてもいいや」と考えるのですね。
実を付けて子孫を残さずとも、自分自身が生きているからいいや、と判断してしまうんです。それを栄養生長と言います。

植物は結構知能が高いのですね。

前回コメントいただいたあさひ屋さんへのお返事に書き落としましたが、こんな時こそ事前に珪酸塩白土と完熟堆肥を混合しますと、珪酸塩白土が窒素肥に作用して、その効き方にブレーキをかけます。


  娘の素人栽培。ハスキーミックスのみで上手く行っているようです。
 
このごろ、公的機関で土壌分析した資料を見せて頂くと、リン酸とカリ過剰の農家さんが圧倒的に多いのです。

専業農家さんがこの調子ですから、家庭菜園はなおさらです。

この二つの肥料は窒素肥とことなり、土壌にしがみついているのですから、豪雨時でも表層の土と共に流されることはあっても、その他の時は土壌に残っているわけです。

だから、東京農大・後藤逸男先生も「良質堆肥があれば、ごく少量の窒素だけでよい」と説明されています。
ハスキーミックス使用の場合は、窒素肥料も要りません。

したがって種を購入すると、絵袋の裏に、「10アールあたり窒素20キロ・燐酸18キロ・カリ18キロ元肥に入れなさい」と書いてありますが、それは一切無視するようお願いします。
 

ところで、トマトが30〜40僂砲覆辰討た時点でメタボになりそうだと判断したら、脇枝を1〜2本残し主枝と共に2〜3本立ちに、つまり栄養分散型に仕立てることをお勧めします。

シーズンになりますと、わたしも超多忙になっちゃいますので、説明できないかも知れないかも知れません…今のうちに書いてしまいました。


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窒素肥料ってなんだろう?〜その問題点〜

  • 2011.02.07 Monday
  • 12:42
 

こんにちは、園芸店オヤジです。

5日・6日に頂きました、ちば!さんと、あさひ屋さんのコメント。
非常に参考になり、且つ反省させられる内容に富んでいましたので、直接本文にとりあげます。
 
学会・大学の先生・試験場の先生方と文通しているうちに、専門用語や略語のクセがついてしまいました。

一般の方々に発信すべき内容を、つい、あの先生に読まれたらどうしよう、などと考えるから脱線するんでしょうね。
そんな見栄など考えず、解りやすく書く事を心がけようと反省いたしましたm(_ _)m 。


                     左下・純白のものが「尿素」です
 
画像左下の純白のものが、尿素肥料です。

その右は
ジャガイモの種蒔きのお話しの際に御紹介した硫安でして、皆様の需要は高いです。

上のグアノ(コウモリや海鳥の糞でリン酸肥料分として使われます。化学肥料の溶リンを探したが見あたりませんでした…)や、硫酸カリの2点は近年全く出番が無くなりました。
その理由はまた、後にご説明いたします。
 
尿素は、窒素成分を43%以上含む速効性肥料です。
いわゆる「化成肥料」と呼ばれる物のひとつです。

有機農法に拘らなければ、1リットルの水に1〜2グラム入れて(500〜1000倍濃度。あるいはもっと薄くても可)葉面散布して使います。

信州では野沢菜の成長期にかける人もいます。

尿素が売れるもう一つの理由に、化粧水を作るのに使うという人がいます。
水にグリセリンと共に、尿素も混ぜるんだそうです。
 
ただこの尿素ばかりではなく、窒素肥料全般が土壌から離れやすい物質なのです。これを溶脱と言います。
窒素は、地下に潜って地下水の汚染源になるのです
そして、挙げ句には河川や湖などに大量にこぼれ落ちるのです。

これが富栄養の最大原因と言っても、過言ではないでしょう。

勿論、窒素成分というのはこの白い粉(尿素)だけでは有りません。

上記硫安もそうですし、塩安、硝安、石灰窒素、硝酸石灰、硝酸ソーダなどの「化成肥料」も勿論ですが、動物の糞や、魚などの死骸で出来た肥料や油粕などの「有機肥料」にも、多量の窒素が含まれているという訳です。
 
リンやカリ肥料分は、土壌に固定されています。
つまり我々のようにカミさんにくっついている濡れ落ち葉みたいな性格でしょうな。

ですからリン酸やカリは、豪雨の時だけ、大量に河川や湖などに流れ込むんです。

窒素は元々流れ出しやすい
性質なので、勿論の事。
少量の雨でも流れ込んでしまいます。

繰り返しで申し訳ありませんが、雨と共に地下水へ、「肥料」という汚染物質が流れ込むのです。
そしてそれが河川などに流れ込む、と言う訳です。



 
ちば!さん・あさひ屋さんのコメントを拝読して、ハッと気がついたことがあります。

水質をBOD COD T−N T−P DO SS …こんな化学記号で語るのに、なんの意味があるんでしょうか。

もっと庶民にわかりやすい基準がある筈です。
これ、大事な話ですから次回をお楽しみにヽ(´∀`)/!



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窒素肥料とはなんだろう?〜三大要素の話〜

  • 2011.02.06 Sunday
  • 19:13
 

こんにちは、園芸店オヤジです。

日頃園芸には関心の無い身近の読者から、「園芸や畑作りは面白そうだが、よく分からない」という相談がありました。

そこで今回から少しずつ、土壌中の「窒素リン酸カリ(三大要素と言われています)」などの、「土作り」に関する基本のお話しを書く事にしました。

考えてみますと、昭和50年代は各小中学校から、菊作りやら花壇の相談が有り、大変嬉しい忙しい思いもしました。

当時は各学校に、園芸好きのベテラン名物先生が
必ず居たものです。

当時の生徒さんは、今頃中年以上でしょう。
名物先生達は多分、全員定年を迎えられたと思います。

平成の代になり、いわんや今日に至っては、小学校から英語の授業が組み込まれ、先生方も大忙し。

現在の学校にあるものは、かろうじて、花壇に見る雑草と共にうちひがれた草花…という有様です。


  娘が自宅の庭で、自分で作っている小さな菜園です。
  ハスキーミックス以外は入れない無肥料・無農薬です。


自らを振り返って、受験技術だけでは、自然観察に限らず、創意工夫・思考力まで衰えていくのではないかと疑い始めました。

かつて私は「土の教育なくして何故環境教育が出来るのか」と言う土肥学会の嘆きをお話ししました。
 
窒素肥料は、作物栽培に欠かせない葉や茎を肥大させる大事な肥料です。
しかし、過剰になるとトマトは花芽がつかなくなります。
田圃の稲も実りの時期に倒れてしまいます。

もっと興味深い事に…。前回書きました、非農耕地用除草剤が、化学組成を教えてとメーカーにお願いしたところ、それは無理だが、「あえて答えるなら、尿素態」とのお返事を頂いた時の新鮮な驚きでした。
 
そうか、尿素…窒素だ!
これと、光合成を邪魔する物質の組み合わせか。
すると、窒素を吸着する資材はなんだ?

……こんな発想は、机上では滅多に生まれないでしょう。
 


諏訪湖や上川には魚が居ない、水の中の植物も、上川の鮎の餌となる石苔もない。

今の子供達は、それが当たり前だと育って行くのかなぁ…?


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土壌菌の話〜色々な放線菌〜

  • 2011.01.23 Sunday
  • 12:27
 

こんにちは、園芸店オヤジです。


昨日に続き、土壌菌のお話しを書きます。

放線菌フザリウム菌を抑える効果があります。
フザリウム菌とは、野菜や花農家を苦しめている病原菌の一つです。

一例を示しますと、トマトが元気なく下葉から枯れあがり、元気がなくなる症状を示す土壌病害があります。

萎ちょう病・根腐萎ちょう病という病です。(参考文献 農文協『野菜の病害虫診断』病原菌名Fusariumu oxyporum)

この病気を、家庭菜園で経験された人も多い筈です。

フザリウム菌が根から進入し、茎の導管や維管束でいたずらしているのですから、地上部でいくら農薬という爆弾を投下しても治りません。
 
完熟したそば殻堆肥中には、そのフザリウム菌を抑える放線菌がく存在します。

 
九州大学・緒方靖也教授著『微生物とその利用』によりますと、放線菌も糸状菌も、糸状と言う共通点はあっても太さが違う
放線菌は糸状菌の約20分の1だそうです。


抗生物質・ストレプトマイシンも土壌中の放線菌から抽出されます。
一方、後日書きますが、ジャガイモのそうか病菌も放線菌。

そして前出の、フザリウム菌を抑える有用な放線菌。

放線菌もいろいろ種類があり、一筋縄ではありませんね。
 

では、土壌病害を防ぐための有用な放線菌をどう増やすか?

「放線菌が増える環境を整える」そのための良質完熟堆肥です。

この環境作りは自然界では当然のことの筈ですが、時々無視されることがあります。

堆肥中から放線菌だけを取り出し、無機質のバーミキュライトやパーライトにこすりつけても、その中で菌は生きてはいけません。

これは細菌ばかりの法則ではありません。
他の動植物についても同様なことが言えるのです。


昨日のブログのコメントに、
「どんな進入経路で放線菌が入り込んだのか?」
…というご質問を頂きました。

発酵課程において、糸状菌は死滅するのではなく、残党は「ハスキーミックス」の中にも必ず残っています。

だから藤原俊六郎
博士(「ハスキーミックス」開発当時・神奈川農業試験場)は微生物資材の利用と評価において、田圃の稲藁を分解させるのには、特別な微生物材でなくとも堆肥で充分、という見解を示されました。

放線菌も同様にして、土や堆肥原料資材に付着していた物、空気中に浮遊していた物等々考えられますが、進入経路の特定は困難と考えます。

ただただ、ひたすら住みやすい部屋を用意してお待ち申し上げるほか……

今のところそんなところです。・・・フ〜

『農業環境を守る微生物利用技術』家の光協会



余談になりますが、本ブログを読者の皆さんに出来るだけ信用してもらえるよう、参考文献を挙げながら書きたいと思います。


コビキヌカや木片・樹皮、これらを総称してバークと申しますが、これを畜糞と混合した堆肥をバーク系堆肥と言います。

その堆肥の問題点を指摘したのは、名古屋大学・吉田重方教授でした。

この先生から、土壌についての文章を書き始めた当時・60歳の手習いの私に「論文調に説明するなら、もっと参考文献をあげなさい!」

…と私のツタナイ文章へのやさしいご返事。

この言葉をいまでも宝にしております。

 

 コンクリートマスです


ところで上の画像は、私の店から数百辰僚蠅砲△覿莢萓依の端末に設置された、巨大なコンクリートマスです。

昨年春に完成されました。

いったい何のために?


次回は日本の病める学会と環境行政の、今日までの問題点をこの画像を基に検証してみたいと思います。
 

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