アカマツの病気?本当の原因!

  • 2011.02.01 Tuesday
  • 13:06
 

こんにちは、園芸店オヤジです。


 この10個並んでいるものが「ワグネルポット」です

この画像にあるものは、ワグネルポットと言って1アールの畑を2000分の1に縮小された、実験用の植木鉢です。

当然、土肥学会の規格基準を満たしたものです。

これで今年は発酵処理残土の出来映えを、ほうれん草タネなど用い、鹿沼土の量を変えながら実験し、葉色の変化で読みとろうとしています。
 

わたしは脱サラして36年。

バブル時代、既に脱サラしていましたので「おいしい思い」などする事も有りませんでした。

若者の就職難と言うニュースを聞く度に、自分の、灰色の青春時代を思い出しながら、いま辛い思いをしている若者に伝えたいことは…

どんな小さい企業でも、学問と研究心は捨てちゃあかん。
例えば、こんな小規模園芸店でも、その努力と断られてもメゲナイ営業気力さえあれば、活路は見いだせる。

必ずです。
 

前置きが長くなってしまいましたが…

前回に続きアカマツの病害とされる「
赤斑葉枯れ病の話です。

実際に存在する病害は、マダラカミキリの媒介によるマツノザイセンチュウのみだと言って良いでしょう。

他のいかなる症状も、もしそれが感染症だというのなら「それでは野山の松には何故伝染しないのか?」という疑問が生じるわけです。

さらに前回お話ししたように、当該サンプルを健康なアカマツに擦りつけても感染しません。

だから、口から出まかせの病名は信用出来ません。
 

36年間で、アカマツ200〜300例の症状を見てきました。
そして見てきた実際の原因はというと…。

少数派だった事例から紹介しますと…

住宅地の土留め工事の不備で排水の悪化が3例。
根の周りに土盛りをしたが為、が2例。

いずれも前回に説明した好気性微生物・菌根菌にダメージを与えたにすぎない事例でした。

従って夏に日照りだからと言って、地植えのものに懸命に水やりするのは松の木を弱らせます。

だって、例えば山頂の岩場の松は、誰が水やりするの?
微生物で充分でしょう。

移植の時の深植えも、酸欠をまねきます。
上根がかすかに見えなければいけません。
 
そして残る99%の原因とは…

非農耕地用粒状除草剤であったという事実をお伝えしなければなりません。

ただし、当諏訪地方ではこの事実を、熱心な庭園・造園管理士の皆さんに対し、判断基準と対処法をお伝えさせていただいた結果、そのようなトラブルは激減しています。

 
まずマツに限らず樹木の根系の範囲は意外と広く、ブロック塀をかいくぐっても根は他人の地下まで及んでいたりします。

その、他人の庭で地主が除草剤を撒く事もありますよね?
自分の庭に除草剤を撒かなくとも、樹木の根が届いている所に除草剤を散布されている可能性は有ると言う事です。

しかも除草剤の効果は、草に対する反応よりも樹木に対してはかなり遅く出ます。

従って春に散布した除草剤の被害が、秋に出たと言う例は多いのです。

除草剤診断では光合成阻害剤が多いことから、反応は樹冠付近から来る(=生長点めがけて進むから、下枝が先に枯れることはない)のです。
 
次回はアカマツを枯らす前の対処法を説明します。


尚、北海道のカラマツ・エゾマツなどへの子嚢菌等、真菌類の感染被害は深刻と言われていますね。

カラマツに関しては、ここで御紹介したアカマツとは違い、キノコ栽培が出来る程真菌類が入り込みやすい樹木と言えます。

ナラタケ病になるのもその例ですね。

同じマツ属でも、科が違うと、罹る病気も違うという事でしょうか。


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コメント
オヤジさん、読みました(・∀・)b

>どんな小さい企業でも、学問と研究心は捨てちゃあかん。


をぉ〜!
同感です!!

やはり、机上の空論より、疑問→調査→試行→実行→結果→経験値……ですよね!!??


私は常に、好奇心だけで生きています(苦笑)

松って根を弄ると、弱りますよね……
毛根が雑木より、かなり、少ない様に思いますし……


>例えば山頂の岩場の松は、誰が水やりするの?

思い出した!!
確か、栃木県の塩原温泉の冬の景観っすよ!

紅葉が美しい所なのですが、冬に行くと、崖地の岩から松が、ニョロニョロ〜って青々しているんですよ。

で、「松は年中無休」と思いました。
それって、岸壁にある、少ない栄養でも冬、しっかり生きているのですね。

何かの菌と共生しながらだったのですね。

>非農耕地用粒状除草剤


これって……
土壌の核爆弾っすね……
!!(∩;゚皿゚)ヒイィィィッッッ!(∩;゚皿゚)ヒイィィィッッッ!


>春に散布した除草剤の被害が、秋に出た……


松の盆栽では、これが一番怖いと、盆栽の月刊誌に書いてあったのを読んだ記憶があったので、「やはり……」
と納得しました。

因みに、関東の日本家屋の庭園での人気の松は「五葉松」ですね。

ナラタケ病は、オニノヤガラ?とかの変なランの系統と共生しないと増殖しないと、何かで読んだ記憶もあります……

カナダでは、かなり、ナラタケ病は深刻らしいです……
  • ちば!
  • 2011/02/01 11:10 PM
ちば!さん、毎度ありがとうございます。

>松って根を弄ると、弱りますよね……

そうですね、マツだけではなく、根が肝心ですよね…。

そして、根と菌の関係も重要ですよね。

樹木と菌の関係についてとなりますと、話は尽きませんが、ご参考までにブログ本文に写真を載せますね。

椎茸の原木に付着した白い苔のような物体を写真で見て頂きます。

このような現象は庭木のツツジ科植物にもよく現れ、時々サンプルが持ち込まれます。

「どんな消毒をしたらいいでしょうか?」と言うご質問つきで。

実はこれは老化した木の表皮につく地衣類(プラス糸状菌と合体いう説もある)です。

したがって、これが原因で病気になったのではなく、何らかの根の生理障害によって、樹木が弱り、表皮が老化と同じ状態になり、その結果地衣類の付着をまねいたと考えるべきでしょうね…。
  • 菊地虎男
  • 2011/02/02 1:10 PM
補足です。

地衣類の写真は明日のブログに載せますので、どうぞご覧下さい。
  • 菊地虎男
  • 2011/02/02 1:14 PM
初めまして。
小生、菌類マニアの瓢箪小僧と申します。

主にキノコの事を観察したり調べたりしていますが
近年は寄生菌や根圏に興味が傾いています。
植物寄生菌の事を調べていて、こちらへ辿り着きました。

「マツの赤斑葉枯れ病なんか無い」とのお話には衝撃を受けました。
その理由もまた明快、正に目からウロコでした!
庭木にしか発生していない、と言うのは
正に経験に裏打ちされた洞察力の賜物ですね。
採取されたサンプルを顕微鏡で見ている研究者には
絶対判らない事ですね。
当方も図鑑で赤斑葉枯れ病を見ているだけでしたので
図鑑の記載に全く疑いを持っていませんでした。

そもそも庭木なんて樹木の意思は無視して
本来その樹木が自生出来無いかも知れない場所に
人間が勝手に植えた物な訳ですから
何か変調があった場合は、まずその環境を疑うのが筋ですよね。
で、それは人間が原因を作り出している、と考えるのが最初ですよね。
顕微鏡を覗いて論理を捏ね回しているだけでは絶対判りませんよね。
だからオヤジさんのお話はとても痛快でした。

赤斑葉枯れ病は Scirrhia pini (=Dothistroma pini)
が原因菌とされていますが
それは実は松葉の常在菌で
葉が枯れて共生相手がいなくなってしまったので
新天地を求めようとして、
もしくは、松葉が枯れて腐朽分解して行く際に腐朽の最初期を担う菌で、
自分の役割を終えたから新天地を求めようとして
子座を作って胞子の飛散をさせようとしたら
お偉い学者さんに「お前が犯人だ!」と
名指しされてしまったのかも知れませんね。
S.piniにしたら傍迷惑な話なのかも知れませんね。

とても勉強になりました。
これからもこちらに来させて頂きます。
初投稿で長文、お許し下さい。
  • 瓢箪小僧
  • 2011/02/05 3:08 AM
瓢箪小僧さん初めまして!
コメント有り難うございます。

貴重な情報ありがとうございます。

Scirrhia pini 松に寄生するとされる菌、検索して松葉の画像を見たのですが、フランスで流行とか?

私はこのような症例は見ていません。

赤松が中心だからでしょうか。
除草剤害を受けた松葉は、初期症状ではマダラ模様を提示することが多くなりますよね。

また樹冠を広げすぎ、頭デッカチにした庭園の松は、頂上に養分が傾いた結果、下枝が弱ります。

病気ではないので自然な老化スタイルで、つまり古葉として落下ということになります。

まだまだ知らないことばかりですが、信州の冬は厳しく、とりあえず環境に熟足をおいて、筆をすすめます。

今後ともよろしくお願いします。
  • 菊地虎男
  • 2011/02/05 9:03 PM
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