湖・河川の水質は農地と深い関係が!〜そして行政と学者も深い関係が〜

  • 2011.06.25 Saturday
  • 14:15

 
 
こんにちは、園芸店オヤジです。


 2006年7月17日の豪雨の様子です。
 自宅近くの上川広瀬橋付近からJA会館の見える対岸を撮影しました。
 


上の画像は2006年7月17日の豪雨の様子を撮影しておいたものです。
自宅近くの上川広瀬橋付近からJA会館の見える対岸を撮影しました。
この時の豪雨禍は、岡谷市湊地区の土石流による8名の犠牲者を出した程でした。
諏訪湖河口でも歩いて渡れるくらいに土砂が堆積しました。

この大雨がその後のヒシの繁殖などに繋がり、諏訪湖環境を激変させたことは間違いありません。

大雨と湖の水質の関係が、どういうメカニズムかと言うと、

大雨→農地の窒素など肥料成分が上川に流れ込む→諏訪湖に大量の肥料分が流れ込む→諏訪湖が富栄養化・高アルカリ化する

と言う事です。
富栄養化すると何がいけないのか?は下に書きます。


 広瀬橋から諏訪湖に向かう濁流
 
上の画像は広瀬橋より撮影した、諏訪湖にむかう濁流の様子です。

上川の上流にある原村の小林一郎氏(故人)をはじめ、直接お話を承った農家数名の方々の農地が、耕盤をはぎ取られて汚濁流を形成していました。

上川の水質を調べてみると、pH計が9〜9.5に、ECメーターが3〜5に跳ね上がっていました。
上記メカニズムを考えれば、それは不思議ではありませんでした。

大量の窒素やリン、それらと結びついたカルシウムやマグネシウムが諏訪湖に流れ込む様子が窺われます。

(当時、大雨直後に豪雨前と後では40倍濃度との報道が有りました)


 浸水した当店
 
しかし、この年の夏はアオコの発生は見られませんでした。

この事は、信州大学教授の沖野外輝夫氏・花里孝幸氏らの著作物『アオコが消えた諏訪湖』に、根本的な事実誤認が書かれていると言う証拠になりました。


問題の書『アオコが消えた諏訪湖』

この著書の内容をかいつまんで書きますと…

P4「奇しくも下水処理場が作られてちょうど20年目になる1999年に突然アオコが激減し、諏訪湖からかび臭が消えたのです。それと共に迷惑害虫となっていたユスリカの発生量が減り、衰退していた水草帯が復活しはじめました。水質浄化が目に見えて進むようになり…」
 
P37「簡単に言うと、植物プランクトンの光合成が活発におこなわれると水中の炭酸ガスが消費され、pHはアルカリ側に変化することになります。」
 
P164「ヒシの増加は回復までに通らなければならない道の駅の1つです」
 
P188「人工内湖(湖内湖)の設置は流入する汚濁物質を沈めて、除去する働きと共に、湖沼の再自然化効果も期待されます。」


つまり……
「諏訪湖からアオコが無くなったのは下水処理のお陰で水がキレイになったから♪
不愉快なユスリカ(湖の中では赤虫ですね)が居なくなってラッキー♪
植物性プランクトンもいっぱい居るよ♪pHが高くなったのはそのせいなのね♪
ヒシは浄化の過程だから気にしなくてイイヨ♪」

……と言う内容です。
まだまだ数え上げればきりがありません…。


               
                  ナニイッテンノ( ゜Д゜)…!?

 


問題はこの本の出版が信濃毎日新聞社であり、2007年7月16日付け同紙に、キーパーソンとして登場した沖野外輝夫氏が「諏訪湖はこのままで手を加えず、自然の回復力に任せるのが良い」とシャアシャアと仰った事です。

よく言うよ…と思います。

なにが「よく言うよ」なのか、
ごく簡単に述べますと、アオコも藻類という生物です。
そして、湖沼の富栄養の産物です。
土壌も水質の中でも、環境の中に於いて富栄養はとても良くない事です。
人体に於いてはメタボリック症候群になりますよね。

しかし、富栄養も極限に達しますと、アオコもやがて減少します。
この事実は私達が農地に肥料を与えすぎて作物収量が減少する状態と何ら相違がありません。

これを報酬漸減(ホウシュウゼンゲン)の法則で説明されます。

梅雨期とは言いながら、現在諏訪盆地は少雨状態が続いています。
この後高温になりますと、毎年間違いなくアオコは復活します。

そして写真のような豪雨にあうと「アオコさえ生きられない」と言うことになるのです。

豪雨なら豪雨程、農地からの流入物が増加するという証明です。

汚濁流(ヘドロ)は農地からの大量な肥料分で出来上がります。
多すぎる窒素、そして大量に使用されるアルカリ資材。
当然それが河川に入り、湖に流れ込めば河川も湖も富栄養化と共に高アルカリ化します。

そのような場所にアオコも植物プランクトンも棲めません。

水底に根を張るバイカモなどの沈水植物も、当然生きてはいけません。

ですからバイカモは清流にしか生えていませんよね。
そしてバイカモなどの沈水植物が、澄んだ水を通して太陽の光を受けて光合成して酸素を発生させます。

水が濁っていたり、ヒシなどの浮葉植物が水面を覆ってしまっても太陽の光は水底に届きません。
富栄養の元では生きられません。
こんな高pHでも生きられません。

水槽以外の睡蓮鉢などで水草を植えて、魚を飼った事のある方ならご存知だと思いますが、本来ならば水底に根を張る水草が、酸素を発生させて色々な生きもの達が生きられるのです。
水槽の中に入れる酸素の「ブクブク」も自然界では必要有りません。

沈水植物が生きられる環境があれば、豊富な酸素と共に色々な生きものが生活出来るのです。

ユスリカが大量発生していた頃、まだまだ諏訪湖では沢山のワカサギが捕れていました。
ユスリカは成虫になると嫌われてしまいますが、幼虫時代はペットショップやホームセンターにペットの餌として売られているあの「赤虫」です。
その赤虫が沢山いたから、それを餌に魚たちが生きられました。

上記の本には「ユスリカが消えて良かった♪」と有ります。
何を考えているのでしょうか?
近年は、ワカサギが激減した原因を「カワアイサがワカサギを食べてしまうから」と決めつけて、せっせとカワアイサを追い払っていますが、食べ物も酸素も激減した湖の中で、どうやってワカサギが生きていけると言うのでしょうか?

犯人にされたカワアイサも気の毒というものです。
彼らだって、周辺の上川や天竜川でも魚が激減し、生きる術を求めて諏訪湖に来てしまったのです。

そして
沈水植物が繁る事も出来ぬ環境では、当然貧酸素と言う状態になります。
諏訪湖が貧酸素状態で有る事は公にも認められている事実です。

上記の本には「高アルカリ状態は植物プランクトンが光合成したから♪」と有りますが、植物プランクトンは貧酸素中では存在しないのです。
もしこの本の著者らが言うように植物プランクトンが豊富に存在するのなら、そして光合成しているのなら、酸素が生み出される筈です。
ここでもまた、この本の理論破綻が見えるのです。

ヘドロが堆積し、高アルカリ化し、富栄養化した諏訪湖には魚や赤虫などの動物も沈水植物も、植物プランクトンも、そしてアオコすら棲めなくなったという訳です。

諏訪湖で唯一元気な「ヒシ」は、低酸素状態に強い植物なのです。

ですからアオコが消えたから「水が一見キレイに見え」、ユスリカも居なくなって「街も一見キレイに」なった、と言う訳です。
こんな「見せかけの状態」を「諏訪湖の浄化は進んでいる、キッパリ。」と著書にしてしまうのだから畏れ入りますわい。


このような根本的誤りからは、古言「1つの嘘をつき通すには、別の嘘を20発明しなくてはならない」となることが露呈します。


水だけを下水処理場でキレイにしたつもりでもダメです。
根本原因である「富栄養化」や「高アルカリ化」は、実は農地から大量に流れ込んだものなのです。

ですから園芸店オヤジとしては、この問題は他人事ではなく、取り組まざるを得ない問題となったのでした。


学者に対して陰口を叩いていてもはじまりません。
堂々と本人に問いただそうと思いました。
そして翌年の土肥学会・東京大会での講演要旨および、2009年関東支部大会で、わたしはこの本の著者に対して真実を問いました。

公開の場に於いてわたしの追求に耐えきれず、この本の著者は公開の席で話をしているわたしからマイクを奪い取りました。

諏訪の中でわたしは、湖内湖など意味がない事を科学的に説明し、税金の無駄遣いである事なども含めて声を上げました。
そして住民大会が開かれました。
住民は湖内湖建設に対して反対の声を上げました。
その結果、湖内湖の計画をこの本の著者ら・行政は断念しました。

その頃の知事が田中康夫氏だったのも大きかった、と思います。
そうでなければ、ああして民意は行政に届かなかったのではないか?と。

湖内湖なんて意味がないのを本当は、湖内湖推進派達も解っていたのだろうと思ったりします。

原発が絶対に安全ではないと、チェルノブイリの事故の例で分かっていながらも推進してきた行政や電力会社の本当の狙いは「利権」です。

何だか今の原発問題で、行政とグルになって原発推進してきた御用学者連中がシドロモドロ・矛盾だらけ・マスコミに顔も出せなくなった状態と重なって見えます。

同じ様な構図がそこに見えます。



              〜資料〜(PDFです)

諏訪湖の水質が年々良くなっていくなんて県のHPにも出ていませんね。
CODは環境基準値の倍以上で横ばい、
全窒素はコツコツと増え続け、汚染を増しているようです。
(9ページに有ります)

どうしてマスコミや諏訪の行政は「年々きれいになって行っている」などと嘘の記事を書いたりイベントを開いたりするのでしょうか?

2000年から数年間行われていた「諏訪湖で泳ごう」という、イベントには度肝を抜かれました…

次回それについても触れたいと思います。
 
 
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コメント
オヤジさん、どもー(・∀・)

>迷惑害虫となっていたユスリカの発生量が減り……

( ̄〇 ̄;) ……バカ言ってんぢゃないよ……

ユスリカってさ……
魚にとって貴重な早春のタンパク源っすよ。

魚の動きが鈍い早春にやっと捕食できるエサがユスリカのピューパ……

ピューパって、羽化するために水中から水面に浮上する(浮上が遅い)時が、冷水のために、動きが鈍い魚とって唯一捕食できる貴重なエサなんですよ……

当然、口の小さいワカサギにも貴重なエサなわけです。
それがいなくなると、当然わかさぎも繁殖できなくなりますよね?

ワカサギの供給量が減れば、当然カワアイサだって、ワカサギ欲しさに狙いに来ます。

兎に角、生態系を人間が壊しておいて、動物のせいにするのは
研究が足りないですね……

ということは、夏の自販機で缶ジュースを取ろうと、取り出し口に手を突っ込んだ時に、ヒゲナガカワトビケラの死骸に
埋もれた缶ジュースを渋々取り出すなんて「自然の心理的被害」なんて、きっと諏訪湖周辺にはないのでしょう……

そんな変化にも気付かないくらい学者って落ちぶれてしまったってことですか……



湖内湖なんて意味ないっすよ。
だったら、諏訪湖の中に巨大な浄化槽でも沈めた方がマシなんぢゃないっすか(苦笑)

ところで、今回の記事……
同意見、同思考が多くて、コメントのしようがないっすよ(笑)
  • ちば!
  • 2011/06/26 1:39 PM
  • ecco
  • 2019/01/15 6:38 PM
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